都をどりの楽屋裏

今、都をどりは4月1日から30日まで、1日4回の公演どす。始まってから半分を過ぎ、をどりもようやくこなれてきた頃どす。この間、舞妓ちゃんは全員25日、若手から中堅の芸妓はんは20日、舞・お囃子に出演しはります。大きな姉さん方は10日間、舞だけに出演しはります。(歳いくとしんどい)地方はんは、15日どすけど大きなお姉さんにはしんどい事どす。立方はんと違うて、1時間の公演中はずっと座り続けてんなりまへん。今年は、素人さんが4人出てはりますけど最後まで頑張れますやろか?

もっと大きな姉さんは都をどりには出やらしまへん。大体の目安は還暦くらいどっしゃろか。後は温習會だけちゅうことになんのどす。地方の幸長はん、立方の小まめはんとか里春はんみたく、もう今は舞台には立たはらへん現役の芸妓はんもいてはります。(皆さん、80才以上どす)

朝は舞妓ちゃんらは、10時頃に楽屋入りします。大きい姉さんなんかは、もう少し遅うにご出勤どす。せやから、髪結いさんには朝6時頃から行かんならんときもおす。で、4回の公演済まして急いで着替えしてお座敷を駆け回って終わるのんが十二時、一時。中には過労で倒れはる妓もいたはりますさかい、ほんま体力が勝負のひと月どす。

部屋は立方はんは、総踊りと中挿の組とで別れてます。後、地方はんの部屋、浄瑠璃はんの部屋に別れとります。このお部屋、中で着替えしたり、化粧したりしてはるんやし原則男子禁制どす。え、どないしても入ってみたいて。まあ手だては無いことはおへんけど、歌舞練場の裏口あたりで待ってて出前のにいちゃんを捕まえ、お金つかまして衣装と出前の弁当貸して貰いますねん。ほなら、大きな顔して楽屋へ入っていけますえ。試してもろてもよろしいけど、責任は一切持ちまへんので…。

若い舞妓ちゃんらにとっては、このをどり期間中しんどいのはしんどいのんどすけど、みんな集まってなんや修学旅行に来たみたいな感じでわいわいきゃあきゃあ云うとります。おまけに部屋の中は、支給のお弁当にご贔屓さんからの差し入れ、大きいお姉さんからの振舞と食べ物だらけどす。「お箸一膳あったらひと月食べていける」て云われるぐらいどす。食べ盛りの舞妓ちゃんにとったら、猫にかつぶし、かっぱにきゅうりみたいなもんどして、なんぼをどりで体力使うたかて、をどりが終わる頃にはしっかり身についとります。「をどり肥り」ちゅうとこどすな。まぁ、ひと月間ご苦労さんどすぅ。

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