舞妓ちゃんの休日

長かった「をどり」もようやっと終わり、京の町にはいつの間にやら初夏の風に鯉のぼりが泳いどります。 舞妓ちゃんらは久しぶりにまとまったお休み貰うて、(大体1日から6日まで)それぞれ、郷へ帰ったり友達と旅行したりと羽のばしてはります。「○×ちゃん、今度のお休みどないすんのん」「うちは、お正月帰れへんかったし、家に帰ろ思うてんねやけど。△×ちゃんは?」「うちは□×ちゃんとディズニーランド行こ思てたんやけど、うっとこのお姉さんが『北海道行くし、あんたもついといない』て云われてしもてん。うっとこのお姉さんだけやとまだええんやけど、他に大きいお姉さん2人も行かはるらしいし、そら気ぃ使うしかなんわ」

舞妓ちゃん・自前になる前の芸妓はんらのお休みは、祗園甲部では第二・第四日曜の月2回どす。 あとはをどりの後に5~6日、七月の末ころに3日位の夏休み、暮れは大体25日くらいからお正月5日くらいまでのお正月休み、といったとこどす。 多めに数えても年間休日55日くらい。しかも朝8時頃起きてから夜の12時1時までのお仕事。年に120~130日も休日あって、その上口開いたら「有給休暇、有給休暇」ちゅうたはるどこぞのOLはんに彼女らの爪の垢でも煎じて飲ましてやりとぉおす。

舞妓ちゃんにならんと、そのまま高校へ行っとったらお休みもぎょうさんあって遊びほうけていられたもんを、なんで彼女らはわざわざ苦労を求めて祗園町へ来やはったんやろか?てふと思うときもおす。 昔みたいに祗園に生まれ、何の疑問も持たんと舞妓になるちゅう時代やおへん。 他所から来やはるお方はみな、舞妓姿に憧れて来はったんが殆どやて思います。 せやから厳しい仕込みさんの修業にびっくりして辞めてしまう子も仰山いたはります。けど、その中にも厳しい修業を終え、舞妓ちゃんにならはる人も少のおすがいたはります。 店出ししてからはまた舞を始め、いろんな芸事の修業が待っています。ここでも挫折して辞めはる舞妓ちゃんもいたはります。

今の組合長の竹葉さんも、舞妓に憧れてならはったんどす。すでに在籍五十年を越えてはりますが、「この世界しか自分の生きる世界はおへん。辛いと思うたことはおへんし、これからもずっと芸妓を続けとぉおす」て云うたはります。今の舞妓ちゃんも、でけたらお姉さんみたいな芸妓はんになって欲しいて思います。 あしたの祗園町は、みなあんたらの背にかかってますのえ。

コメントはまだありません

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

同期の舞妓
ごまめの歯軋り
1
同期の舞妓

さて、今日は同期の舞妓のお話どす。あんたとうちとは同期の舞妓 同じ祗園町の庭に咲く~ 前にも書かして …

ごまめの歯軋り
晴明はん

今日は今話題の人物のお話どす。安倍晴明(あべのせいめい)今若い女の子の間で一大ブームとなってるお方ど …

ごまめの歯軋り
お茶屋とおかん

祗園をはじめ、花街ではその人ごとに上がるお茶屋はんが決まってるんどす。(宿坊・しゅくぼうて云うとりま …