一見さんおことわり

よう耳にする京の悪口に「一見さんおことわり」ちゅうのがおます。今でも、京の花街では当然のしきたりとしてまかり通ってます。

他所から来たお方には、これがなんや差別されてるようにとられるんどすが、決して差別してるわけやおへんのどす。 初めて会うたお客さんは、好みも性格もまったくわからしまへん。 せやからどないなもてなしをしたらええのんかわからしまへんのどす。 結果、「なんやつまらん店や」て思われるのはプライドが許しまへん。 それやったら、最初からお断りした方がええちゅうことどすねん。

それと初めてのお方やと、どないなお方かもわかりまへんし、万が一大事なお馴染さんにご迷惑かけたら困ります。 京のお店では(特にサービス業)お馴染さんをことのほか大事にします。 京の商売の原点ちゅうのは、細く長く続けていくことなんどす。 決して一過性のもんは好みまへん。 お客の方もいったんお店が決まると、決して他所に浮気などせんと「○○はどこそこのん」と何代もわたっておつきあいさして貰います。

不特定多数のお客さんにいかに多く販売するかが商売の原則かも知れまへん。 マニュアル通りのサービスしか受けられんお店で買物したり、食事したりするのが平気なお方やとそれでもよろしおすけど、うちはやっぱり、お店の人と気が通じ合うたとこの方がよろしおす。 それに馴染みになって年が経つにつれ、うちの好みも分かってくれてはるし、嫌いなもんは決して勧めはらしまへんし、好きなもんがあったら、ちゃんと声かけてくれはります。

店によったら、行くと「お帰りやす」、帰るとき「いっといやす」て云うて、まるで我が家のようなもてなししてくれはります。ほな、お馴染みはんは最初どないして店に来たんや?て云われると、確かに最初は誰かに紹介して貰わななりまへん。 けどまめに探せばどこぞに知りあいがいやはるて思いまっせ。

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