祇園の立春
- By: たかまろ (袋小路 貴麻呂)
- カテゴリー: ごまめの歯軋り
- Tags: 着物, 祇園町
立春も済んだちゅうのに、まだまだ寒おすなぁ。云うても京では、奈良のお水取りと比良八講が済まんことには春は来まへんのどすけど。
うちは人一倍寒がりやさかい、今の時季が一番辛ぅおす。
けど舞妓ちゃんらは、あんだけ※1襟抜いてたらさぞかし寒いやろて思いますのやけど、聞いてみたらそないに寒ないらしおす。
段々慣れて襟足が鍛えられ、寒さを感じんようになるんどっしゃろか?
それともそこだけ皮膚が厚くなるんやろか?
毎日襟抜いてはる舞妓ちゃんや若手の芸妓はんはええんやけど、たんまに※2裾引きしはるお姉さん方は大変らしおす。
水で溶いた白粉塗るだけで「ひやぁ」外出たら「おーさぶぅ」で風邪引いてしまわはります。
暖房の効いた現代でこれどすさかい、昔の芸・舞妓はんらは大変やったて思います。人間、段々と軟弱になってしもうてるんやろねえ。
うちも小さい頃は、雪降ったら犬みたいに外走り廻ってたもんやのにねぇ。今はすっかり猫になっとります。
せやからよほどの事がない限り、冬場お姉さん方は裾引きなんかしはらしまへん。(夏場も頭が蒸れるちゅうて嫌がらはりますけど)
一月の始業式でもある程度の歳(大体40才?)になると許して貰えるらしおす。でもどなたはんが決めはるんどっしゃろか?
春が来るまでもう少しの辛抱どす。皆はんも風邪ひかんようにしとぉくれやす。
※1襟抜=和装の襟を引き下げて襟足を出した着方
※2裾引=お端折りをせず着物の裾を長く引き摺って着ること
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