舞妓ちゃんと芸妓はん

なんやどさくさに紛れて自民党の大勝利に終わった今回の選挙どしたけど皆はん、ちゃんと投票に行かはりましたか?

「○△ちゃん、こないだの選挙行ったか?」
「へぇ、ちゃんと行って来ましたえ」
「阿呆やなぁ、そんなときは『うちまだ選挙権おへんし、行ってぇしまへん』て云わな年ばれるがな」
「あっ、ほんまどすなぁ、これから気ぃつけよ」

最近の舞妓ちゃんは高校を出てから来はるんが多なってきたんどす。親御はんが、娘の希望に百歩譲っても「せめて高校だけは出てからに」とか云うてはるんかも知れまへん。娘はんの方も、舞妓ちゃんになるて云うたけど、もし挫折したら中卒では社会復帰でけへんさかいて思うてはるのか…

昔は「学校行きさん」ちゅうて中学に通いながら仕込みはんをして、(もっと昔は小学校に)卒業と同時に店出し、その年の都をどりには出てたらしおす。せやから殆どの舞妓ちゃんは10代ちゅうことどしたんやけど、今は高校出てから仕込みさんを一年して、それから舞妓ちゃんになるもんやさかい、店出しして2・3年もしたら成人してしまいます。成人すると、その年の始業式の席で発表されるんどす。成人舞妓ちゅうて…「なんや嬉しいんやら、照れ臭いんやら複雑な気持ちどすぅ」

屋形のおかんとか姉芸妓はんから「年聞かれたら、16やて云うとくんやで」て云われてても、さいでん(さきほど)みたいに、ついぽろっとボロが出ます。もっとも何も聞かんでも、どうみても二十歳過ぎやろちゅうしっかりした妓もいてますけど…その訳は、昔は今と違うて、ニュースソースが少のおした。それに加えて屋形でも舞妓ちゃんには世間のことは何も教えまへん。せやから大根が1本いくらするとか、世の中のことは何にも知らん「無菌状態」に創られていったんどす。

ちゅうのも、昔は「おぼこさ」が舞妓ちゃんの命どした。年も小さいさかいに夜も更けてきたら宴会の席でもいねぶりしてる妓が多かったらしおす。あくまでもお座敷の飾り物・人形みたいなもんどす。「おおきに」「おたの申しますぅ」の二言ですべて通るようなのどかなもんどしたんやろ。

今の舞妓ちゃんはそうやおへん。芸妓はんにも負けん位場持ちのええ、しっかりした舞妓ちゃんもいたはります。カラオケも歌うし、お酒も口にしはります。せやから、お客はんの中にも「呼ぶのんは舞妓ちゃんだけでええわ」ちゅうお方もいたはります。いつの間にやら、「芸妓はんの添えもん」から「舞妓ちゃん」ちゅう別なジャンルを確立したようにも思えます。

加えて昨今のアマチュアカメラ爺・婆達が舞妓ちゃんの心の火に油を注ぎます。彼らは道で芸妓はんと舞妓ちゃんを見かけたら、必ずちゅうてええほど舞妓ちゃんの方にレンズ向けたはります。「そんなんよか隣の芸妓はんの方がなんぼか値打ちおすえ」、て思うこともしばしばどす…周りのもんも、本人も「舞妓ちゃんはあくまで、ええ芸妓はんになるための研修期間」ちゅうことを忘れたらあきまへんなぁ

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